注文からオペレーションまで、全方位でデータドリブン
成功する飲食店に必要なのは、よい商品・よい人材・よい業態の3要素だといわれる。株式会社CRISP創業者の宮野浩史氏は、日本は海外と比較してよい要素が多いにもかかわらず、経営に苦しむ飲食店が多いと感じていた。
その背景にあるのは、テクノロジー活用の遅れ。多くの飲食店ではいまだにデジタル化やデータ活用が進んでおらず、勘や経験に頼った属人的な経営が主流だ。その結果、業界全体として生産性が上がらず、収益率も低いままとなっている。
宮野氏は2014年に株式会社CRISPを創業し、「日本の外食を、ひっくり返せ。」をパーパスに掲げ、栄養バランスに優れたカスタムサラダを提供する飲食チェーン「CRISP SALAD WORKS(クリスプサラダワークス)」を展開。トッピングやドレッシングを自由に選べる楽しさに加え、たっぷりの野菜、チキンや豆などの具材、手づくりの味わいといった特徴が支持され、味・栄養・満腹感・見た目のすべてを満たす食体験として多くのリピーターを生んでいる。この背景には、「テクノロジー活用」と「データドリブン経営」による、効率的かつ高品質な店舗運営がある。
注文と会計のプロセスは、独自のモバイルオーダーアプリ「クリスプアプリ」とセルフレジによってデジタル化されていて、来店客はレジに並ぶことなくスムーズに注文・決済が可能だ。アプリを使えば事前注文もでき、受け取り時間に合わせて来店するだけで商品がスムーズに手に入るため、昼休みが限られるオフィスワーカーにとっては大きな利便性となっている。
一方、スタッフ側にとっても、注文や会計業務が簡略化されることで、接客や調理といった「人にしかできない仕事」に集中できる環境が整えられている。このようなデジタル体験を通じてクリスプは膨大な顧客データを蓄積しており、注文内容、来店時間帯、トッピングの傾向、購入頻度などの詳細な情報は、社内システム「クリスプメトリックス」で一元管理されている。これにより、店舗ごとの需要予測や食材の仕入れ、メニューの人気分析などにデータを活用している。
さらに、売上や注文数、LTV(顧客生涯価値)、顧客満足度などの指標はリアルタイムでモニタリングされ、現場の改善や経営判断に直結。自社の成長をデータで支えるモデルを示すことで、デジタル化によって効率的かつ持続可能な成長が可能であることを証明している。