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株式会社ファーメンステーション

ファーメンステーション

発酵技術で循環型ものづくりを担うアップサイクル企業

基本情報

企業名
株式会社ファーメンステーション
公式サイト
https://fermenstation.co.jp/
タグ
  • スタートアップ
  • 社会課題
  • サステナビリティ
  • SDGs
  • サーキュラーエコノミー
  • 農業
  • B Corp認証
  • フードロス
  • バイオテクノロジー
  • アップサイクル

逆説の構造

  1. 起点
    使われない食品
  2. 定説
    廃材となり価値を生まない
  3. 逆説
    原料となり価値を生み出す

ビジネスモデルの解説

使われなかった食品を、発酵で価値に変え、企業と共に社会の循環をつくる

食品ロスが世界的な課題として注目されている現在、企業や家庭で出る「まだ使えるのに捨てられてしまう食べ物」をどう活用するかが問われている。そうした中で注目を集めているのが、株式会社ファーメンステーション(以下、ファーメンステーション)だ。同社は、捨てられるはずだった食品を、再び価値ある商品として生まれ変わらせる「アップサイクル」という仕組みを、独自の発酵技術によって実現している。
ファーメンステーションの事業の中核は、未利用の食品素材を「発酵」の技術で処理し、化粧品やボディケア商品といった全く別の高付加価値商品に変える点にある。たとえば、休耕田を利用して栽培した米、リンゴの搾りかす、炊飯器の試作用のご飯、製造中に割れた飴などを活用している。これらをそのまま捨てるのではなく、微生物の力を使って発酵させ、エタノールや有機エキスなどの原料に変え、それらの原料をもとに一般の消費者が使える自然由来の商品を製造している。 ファーメンステーションの発酵技術は、微生物による糖分の分解と発酵を応用したもので、原料となる食品に含まれる糖や栄養成分を分解し、エタノールや有用な成分を生成する仕組みである。岩手県奥州市に構える自社工場では、食品ごとに異なる最適な発酵条件(温度・湿度・菌種など)を細かく設計できる研究開発体制を整えており、多様な食品に対応できる柔軟性が強みだ。このような発酵技術は、もともと東京農業大学と奥州市による米からバイオエタノールをつくる共同研究を創業者が引き継いで発展させたものであり、単なる食品加工の延長ではなく、バイオプロセスとしての高度な研究開発力が事業の核を担っている。 ファーメンステーションは、自社ブランドの商品を開発・販売するだけでなく、他社ブランドの商品の開発・製造を請け負うOEM・ODM事業を展開している。これまでに、アサヒグループ(リンゴの搾りかす)、ANA(規格外バナナ)、カンロ(割れた飴)、亀田製菓(規格外のハッピーターン)、象印マホービン(試作用ご飯)など、誰もが知る企業と連携してきた。 こうした企業との共同開発事業は、ファーメンステーションにとって自社製品以外の収益源となると同時に、パートナー企業にとっても、これまで廃棄するしかなかった食品を社会貢献につながる形で活用できることから、企業価値の向上やサステナビリティ戦略の一環として位置づけられている。 さらに、発酵で抽出した原料だけでなく、その後に残る「発酵かす」も無駄にしない。発酵かすは畜産農家に飼料として提供され、家畜のふん尿を通して堆肥となり、再び農業の肥料へと循環していく。このように、自然の循環と社会の循環を同時に機能させる仕組みが、同社の事業モデルの根幹をなしている。 このモデルは、環境負荷を抑えながら経済価値を生み出す「循環型社会」の一つのあり方を示している。単なる「ごみの再利用」ではなく、使われなかった資源を新たな価値へと変えるアプローチとして、多くの共感と関心を集めている。 実際に、同社は「J-Startup」「J-Startup Impact」などの官民連携支援プログラムに選定されているほか、社会と環境への配慮を両立する企業に与えられる「B Corp認証」も取得。2024年には個人・企業から約2.3億円の出資を受け、バイオものづくり分野でのさらなる研究開発と事業展開を進めている。 ファーメンステーションの取り組みは、未来のものづくりの新たな形を提示するモデルケースである。未利用資源に新たな命を吹き込み、持続可能な循環をつくるこの挑戦は、これからの社会におけるスタンダードになっていくだろう。
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