ビジネスモデルを図解で紹介するデータベース
Bizgramは、企業のビジネスモデルを図解や文章で紹介するデータベースだ。このサービスは、ビジネスの仕組みをより多くの人が知り、「ビジネスって面白い!」とか「自分だったらこう考えるかも」といったきっかけをつくるために生み出された。主に、企業で新しい事業を立ち上げようとしている人や、起業家、またはビジネスを学ぶ学生など、ビジネスモデルに関心のある方が対象だ。
ビジネスモデルは3×3のマスに沿って記述するなど、共通のルールにそって図解が視覚的に表現され、その戦略や構造の要点を理解できるようにしている。共通のルールを用いることにより、一度ルールを学習することさえできれば、複雑なビジネスの概念を、誰もが理解しやすいようになる。
もともとは、書籍「ビジネスモデル2.0図鑑」の内容が元になっている。この本は2018年に出版され、国内外で10万部以上発行された。BizgramはそのWeb版のような立て付けで、本には掲載しきれなかった内容もふくめて、週に1度程度のペースで定期的にビジネスモデルが追加されている。本とちがう大きな特徴として「更新性」がある。本では内容を追加・更新しつづけることが難しいが、Web上であれば基本的には制限なくビジネスモデルを追加できるからだ。
Bizgramは、掲載するビジネスモデルに一定の選定基準がある。それは、可能なかぎり、社会性、経済性、創造性の3つを満たしているビジネスを載せるということだ。
1つめの社会性とは、その事業に関係するあらゆるステークホルダーを犠牲にしないビジネスが展開できているかどうかを指す。その中には、従業員や取引先もいれば、サプライチェーンの中にいる労働者や地域、地球環境など広く様々な関係性がある。社会性を犠牲にして、経済性だけに振り切ってしまうと、まわりへの配慮に欠けたビジネスとなり、特定の個人の犠牲が生まれたりなどリスクが顕在化して持続可能性が薄れることになる。
2つめの経済性は、ビジネスとして成り立ち、しっかり儲けが生まれる仕組みになっているかどうかを指す。いくら社会にとって良いことでも、経済性がなければ事業を続けることはできない。優れたビジネスモデルには、顧客にお金を払いたいと思わせる何らかの価値があり、その価値が他には生み出せない独自性や優位性があり、その価値を生み出すための持続的なリソースや体制がある。
3つめの創造性については、そのビジネスが属する業界や商品、ドメインを「起点」として、現在の当たり前である「定説」に対して、それを打ち破るような「逆説」が生み出せているかどうかを指す。Bizgramでは「逆説の構造」としてそのフレームワークを紹介している。逆説が強いほど、そのビジネスは「非常識」であるが、逆説が成り立つビジネスは創造的で、場合によってはそれが優位性や話題性につながり、強みとなる。
Bizgramの使命は、より多くの人々がビジネスモデルを通じて学び、新たなビジネスを生み出すためのヒントとなり、新たな可能性や社会課題を解決する手助けになることだ。社会はいまだ分断が多く、情報量が増え課題が複雑になる中で、より領域横断的な、創造的なビジネスがますます求められている。それにもかかわらず、ビジネスの仕組みは一見難しく、どうしても一部の人が考えるだけになりがちだ。
本来は、社会のあらゆる課題の当事者や専門家が、自分みずからビジネスモデルを考えられるようになったり、クリエイターがそのクリエイティビティをビジネスをつくることに活かしたりと、ビジネスモデルをもっと多くの当事者が考えられるようになると、もっと世界はよくなるはずだと思う。そういった世界観を実現していくために、Bizgramは運営されている。
しかし、現状Bizgramはまだ赤字続きで運営されている。データベースとしての中立性を保つために、ビジネスモデルを載せてほしい企業からの記事広告なども受け付けておらず、まだ毎月のサーバー代すら満足に稼げていない。この、Bizgramのビジネスモデルを保つためにも、せっかくここまで読んでいただいた方には、利用料として、ぜひ有料での登録をお願いできると大変ありがたい。
ということでこのページは、ほかの素敵なビジネスモデルにまぎれて自分たちの小さな苗のようなビジネスモデルを開示し、理念を示し、赤裸々な状態までを明らかにした自己紹介代わりのページだということがわかったと思う。ここまで読んでいただいて、ありがとう。Bizgram、ぜひご利用ください。