協同組合型で風力発電を運営
風力発電は、他の再生可能エネルギーと比べてエネルギーの変換効率が高い。NEDOによれば、太陽光発電や地熱発電、バイオマス発電のエネルギー変換効率は10~20%前後に留まるが、風力発電は最大30~40%前後だと言われている。太陽光発電とも異なり、適切な場所に設置すれば、一日中発電することも可能だ。
こうした背景もあり、ヨーロッパではいくつかの国で風力発電の導入が進んでいる。だが、太陽光発電のように個人で風力発電を導入するというのはハードルが高い。そのため、個人は効率のよい再生可能エネルギーへのアクセスが制限されている。Ripple Energyは、こうした課題を解決し、個人でも風力発電による電力を購入するための仕組みづくりに取り組んでいる。
「Ripple」という仕組みでは、協同組合を設立し、風力発電所を建設。この風力発電所を組合員で共同所有する。発電した電力は、Rippleと電力購入契約を結んでいる小売電力会社が買取し、公共電力系統を通じて組合メンバーに供給される。
先述の通り、風力発電は効率よく発電できることで、他の発電方法と比較して低コストとなり、小売電力会社による買い取り価格は市場価格より低くなる。この市場の電力との価格差が組合員に対して電気料金の割引という形で還元される。協同組合に対する出資が多い組合員は、比例して受け取る還元額も多くなる。
エネルギー価格は、高騰することも珍しくない。生活インフラにかかるコストが膨らんでしまうことは一般家庭にとって大きな影響を及ぼす。だが、Rippleであれば、電力価格の高騰と比例して買い取り価格は向上するが、自分たちが利用する電力の価格は上がらない。その差額が大きくなる分、還元される金額も大きくなるという。
Rippleの仕組みは、エネルギーにまつわるいくつかの問題を同時に解決する可能性を秘めている。今はイギリスを中心とした取り組みになっているが、このアプローチから学べることは多々あるだろう。