地域の「新しい地元民」として、共に未来を描く
2040年までに、日本の自治体の実に半数近くが消滅の危機に直面するという予測がある。地域を牽引するリーダーの不足や人材・資金・知恵の欠如、そして、一度きりで終わりがちな街づくりの再現性の低さは、多くの地域に共通する課題だ。2022年に創業した「NEWLOCAL」は、「地域からハッピーシナリオを共に」というミッションを掲げ、このような人口減少社会における、持続可能なモデルを実現することを目指してきた。
NEWLOCALは、地域内外の共創を通じて、人・金・知恵の循環を生み出す仕組みを整備している。特徴は、地元のキーパーソンと共に合弁会社を立ち上げ、地域に深く入り込んで事業を実装する点。行政や大手デベロッパーが中心となる従来型の街づくりと異なり、住民主体で会社を立ち上げ、文化や資源を理解したうえで、宿泊や飲食、交流施設などを展開。雇用や観光需要も創出し、地域経済の循環をつくり出している。
さらに、本体である株式会社NEWLOCALが資金調達や経営管理を担い、各拠点で得た知見を横展開することで、再現性のあるモデルへと磨き上げている。資金面では、地銀融資や助成金に加え、個人投資家やVC・事業会社などから数億円規模を調達。人材面では、地域人材と外部人材を半々で採用し、拠点間でのローテーションを仕組み化する。知見の面では、立ち上げや運営のノウハウを体系化し、次の拠点へと活用している。こうして、「一度きりの事例」を「横展開できる仕組み」へと変えているのである。
現在、長野県の野沢温泉村や御み代よ田た町、秋田県男お鹿が市、京都府丹後地域、石川県小松市、香川県丸亀市などで事業を展開。野沢温泉では冬季営業のみのロッヂ運営を引き受けて通年のアクティビティを整備したり、音楽やワインを楽しむバー「Music Bar GURUGURU」を開業し、地域に新たな交流を生んだ。さらに2026年1月には、新たなブティックホテル「mont」が開業し、通年観光の基盤づくりが進んでいる。男鹿市ではクラフトサケブランド「稲とアガベ」と連携し、宿泊施設や蒸溜所・飲食・小売を組み合わせた交流施設を準備。京都丹後では土産物店を事業承継したり、古民家を改修して文化を体験できる宿泊拠点への転換を計画している。
創業以来3年でNEWLOCALは累計10億円を調達し、50名以上を採用。2025年時点で6拠点の事業が始動しており、数億円規模の収益を上げている拠点もある。人口減少下でも成長できるモデルが形成されることで、地域の未来に持続可能な選択肢を提示する存在となっている。