子どもの頃に夢見た〝あの技〞を実現させるテクノスポーツ
子どもたちの遊び方は、都市化や少子化、学習環境の変化、そしてデジタル機器の普及によって大きく変化した。安全に遊べる屋外空間が減り、集団での外遊びは難しくなって、学習や習い事で自由に体を動かす時間も減少した。家庭ではゲーム機やスマートフォンが普及し、遊びは室内や画面の中へと移った。結果、体力低下や肥満といった健康課題が表面化し、仲間と協力したり創造的に関わったりする機会も乏しくなっている。従来のスポーツもまた、体力や筋力の差が勝敗を左右する構造で、誰もが公平に参加できるとは限らなかった。
そうした状況の中、2014年創業のmメリープeleapは、「自らの手からエネルギーを放つ体験を現実にしたい」というシンプルな発想から、AR技術を活用した新しいスポーツ体験をつくり出した。それがテクノスポーツ「HADO」である。プレイヤーはヘッドセットとアームセンサーを装着し、仮想のエナジーボールやシールドを駆使して戦う。最大の特徴は、エナジーボールの大きさ・スピード・シールドの耐久力といった能力を数値で調整できる点にあり、体力や筋力に依存しない公平な競技体験を可能にした。従来のスポーツが身体的条件に大きく左右されるのに対し、HADOはテクノロジーを通じて「誰でも参入できる競技」という新しい選択肢を生み出したのである。
2016年にサービスを本格開始して以降、HADOは急速に拡大した。直営店舗やフランチャイズ、販売代理店を通じて各国で導入が進み、日本や中国を含む世界39か国に展開。レジャーコンテンツとして商業施設やテーマパーク、自治体イベントなどに組み込まれ、誰もが一度は体験できる機会を提供した。さらに、企業イベントやチームビルディング研修でも採用され、新鮮なアクティビティとして注目された。2016年からは世界大会「HADO WORLD CUP」も開催、国際的な認知度を高めている。大会は年々規模を拡大し、プレイヤーが戦略を練りながら技を繰り出す姿は、観戦スポーツとしての魅力も備えるようになった。
事業モデルは直営店、フランチャイズ、販売代理店、出張イベントなどの導入形態を組み合わせる仕組みが特徴。直営店は都市部の集客拠点として運営され、フランチャイズは地方や海外での普及を担う。販売代理店は学校や商業施設への導入を支援し、イベント型の提供は自治体や企業との協働を広げる。ライセンス収益を軸にしたこの仕組みで設備投資や運営負担を分散させ、世界規模で拡張することが可能になった。
HADOはこうして、テクノロジーにより身体条件を超えた競技体験を提供すると同時に、柔軟なビジネスモデルで多様なパートナーと連携しつつ広がってきた。世界中で同じルールと体験が共有されることで、国境を越えた競技を生み出しているのだ。