鮮魚の売買がアプリでできるBtoBマーケットプレイスを構築
日本の水産業は、長年にわたって複雑な流通構造を前提として成り立ってきた。漁場で水揚げされた魚は、産地市場や仲卸、卸売市場を経て小売店や飲食店へと届くが、その過程には多くの仲介が存在し、情報は分断されやすい。仕入れを行う側は限られた仲介先から断片的な情報をもとに判断せざるを得ず、どこにどんな魚がどれだけあり、いくらで取引されているのかを把握することは難しかった。産地側も、自分たちの魚がどの地域にどの価格で届いているのかを把握しにくく、販路は既存の取引関係に依存しがちだった。その結果、地域ごとの需給に歪みが生じ、廃棄や機会損失が発生してきた。
こうした課題に対して登場したのが、株式会社ウーオが提供する水産流通プラットフォーム「UUUO(ウーオ)」である。UUUOは、2020年9月に正式リリースされた水産業向けのBtoBマーケットプレイスだ。漁師や仲買、荷受会社といった産地側の事業者が出品した鮮魚を、飲食店や小売店などのバイヤーがアプリ上で発注できる仕組みを提供している。
UUUOが目指したのは、仲介を排除することではなく、水産流通の中でブラックボックス化していた情報と取引を可視化することにある。産地とバイヤーが同じ情報を共有し、必要な魚を必要な場所へ適切な価格で届けられる仕組みづくりが、その出発点となっている。
UUUOの最大の特徴は、産地市場に並ぶ水揚げ直後の鮮魚情報をオンライン上で可視化している点にある。水揚げされた魚の写真や水揚げ日、数量、サイズごとの相場をリアルタイムで確認でき、バイヤーは全国の漁港や市場を横断して比較しながら仕入れを行うことができる。
発注から物流、決済までを一元化している点も重要だ。2020年のリリース当初は、鳥取港や網代港などウーオが買参権を保有する産地を中心に展開し、その後2021年から2022年にかけて全国の市場や荷受会社との提携を拡大した。市場便や既存の水産物流通網を活用することで対応エリアを段階的に広げ、都市部と地方を結ぶ流通体制を整えてきた。
収益モデルは、取引成立時に発生する取引手数料を中心としたマーケットプレイス型である。ウーオ自身が魚を買い取るのではなく、バイヤーが支払った代金は前受金として引き受けられ、そこから産地の水産業者への売上金が支払われるとともに、ウーオの収益となる5〜10%の取引手数料や配送料が分配される仕組みとなっている。このように、取引・物流・決済という「流通の仕組み」を提供することで収益を得る構造となっており、流通量の拡大がそのまま事業成長につながる。
実際にUUUOを導入した飲食店では、全国の漁港や市場から魚を選べるようになり、仕入れの精度やメニューの幅が広がっている。産地側にとっても、これまで接点のなかった地域のバイヤーとつながる機会が増え、販路の拡大につながっている。さらに2023年には海外向けサービス「UUUO importer」が開始され、海外の飲食店が日本の産直鮮魚をUUUO上から発注できるようになった。
UUUOは、水産流通が抱えてきた「複雑な流通構造」と「情報の不透明性」という課題に対し、テクノロジーによる情報と取引の一元化によって解決策を提示している。2020年のリリース以降、国内物流の拡大と海外展開を進めてきたUUUOは、日本の水産流通を支える新しいインフラとして成長を続けている。