圧倒的な野菜の種類の豊富さが魅力
働く現代人は忙しい。特に、共働き世帯や働くママは、食事づくりに時間をかけづらく、コンビニ食や外食で栄養が偏りやすい。そうした人々に、6〜10種類もの野菜がゴロゴロと入っていて、おいしく、無添加で、栄養価が高い冷凍宅配食品を提供しているのがGREEN SPOONだ。2019年に株式会社Greenspoonがサービスを開始して以来、会員数は5年で累計15万人にまで成長した。
サービスの利用方法は簡単で、GREEN SPOONのサイトから好みのメニューを選んで注文すると、冷凍で商品が宅配される。また、サブスクリプション型となっていて、定期的に8・12・20食が届くコースがあり、20食のコースであれば1食あたり751円である。
GREEN SPOONの良さはなんといっても、手軽に野菜がたくさん摂れることだ。野菜をふんだんに使ったメインディッシュ、ごはんもの、パスタ、スープ、サラダ、スムージーなど70種類以上のメニューがあり、1食ずつ冷凍パッケージにされ、それらをレンジで調理するだけで手軽に食べることができる。
また、おかずや食事系の冷凍食品といえば、添加物が含まれることも多いが、GREEN SPOONでは、保存料・合成甘味料・合成着色料・発色剤・漂白剤が一切使用されていない。さらに、ヘルシー志向の顧客に合わせ、カロリーや成分にもこだわっているが、「圧倒的においしい」と評判が高い。
こうして野菜を手軽においしく摂れるサービスはどのように成り立っているのか。そこには、栄養バランスを監修する管理栄養士、野菜の仕入と商品製造を担う食品工場、そして野菜を食べたいと思わせるパッケージデザインという3つの理由がある。
1つ目の管理栄養士については、創業当時からレシピ開発において重宝されてきた。そもそもこのサービスは、IT業界で忙しく働いていた当時20代の創業者らが、忙しくても健康的な食生活を送りたいという気持ちから、個々の身体の悩みや食生活に合わせた「パーソナルスムージー」を提供することから始まった。
その際、味にもこだわりながら、パーソナライズされた商品をつくるために、管理栄養士と25種類ものレシピ開発を行った経緯から、現在は食事系のメニューも増やして、カラダにいい栄養バランスが考え抜かれたレシピを開発を行っている。使用する野菜はなんと120種類以上にもなるという。
開発されたオリジナルレシピは、提携先の国内の食品工場によって再現され、そこで商品がつくられる。これらの工場では、海外も含めた多様な産地から野菜を仕入れ、急速冷凍した野菜と、野菜とは別に冷凍されたスープの素や具材を包装する。レンジにかけても見栄えが良くおいしい野菜を世界中から探して仕入れ、120種類以上の野菜を扱える工場はこのサービスの強力なパートナーなのである。
また、製造過程においては、野菜が急速冷凍されている点もこのサービスの鍵である。GREEN SPOONがあえて冷凍を選んでいるのは、できるだけ野菜に余計な熱を加えず急速冷凍をすることで、野菜の栄養を壊さず、保存や見た目を彩るための添加物を使わないようにするためだ。加えて、長期保存ができるので、外出の多い顧客にも嬉しい。
こうしてできあがった商品には、流通においても工夫が施される。それが、商品パッケージのデザインだ。GREEN SPOONのパッケージは、中に入っている食事や素材の写真などではなく、人物や食卓の風景など、メニュー毎に違うイラストがおしゃれに描かれている。
まるで、メニュー毎に物語があるかのように思わせるイラストは、顧客に商品を見る楽しみを与え、食べる楽しさを想像させる。そこには、「摂らなきゃいけない」野菜から「摂りたくなる」野菜に変えていきたいという想いが込められ、単に栄養という機能面だけでなく、食体験を通じた心の健康面にもつなげていく狙いがある。
創業から5年、「忙しい毎日でも自分のカラダとココロを気遣った、おいしい食事を簡単に楽しみたい。」という想いに答えるサービスで成長を続けてきた。これまでに、株式会社アカツキなど、GREEEN SPOONのビジョンやサービスに共感する企業や投資家から累計14億円(2023年時点)の資金調達を行ってきたが、2024年にその出資企業の一つでもあった江崎グリコ株式会社のグループ入りをした。
GREEN SPOONのように食品をオンラインで販売する食品業界のEC市場規模は2 兆 7,505 億円であり、食品業界全体の約4%と狭い(2022年時点)。15万人以上の会員や関係企業の共感をよぶGREEN SPOONのサービスが、大企業へのグループ入りにより今後も現代人の食生活にどのように寄り添っていくのか注目したい。