シェア自転車戦国時代を生き抜けるか?
話題の自転車シェアリングサービス「Mobike(モバイク)」は2016年4月に上海でスタートした。2018年現在、世界200以上の都市で2億人以上の登録者がいて、800万台の自転車は多い日には1日あたり3000万回利用されている。これまでに自動車124万台分のCO2を削減できているそうで、環境にもやさしい。
このサービスがよくできている点は、よいことをするとスコアがもらえて、よくないことをするとスコアが下がって使用料が高くなってしまう仕組み。これまでも自転車のレンタルサービスは存在していたけれど、返却されなかったり、盗まれたり、壊されたりする問題があり、ユーザーの倫理観が求められる、なかなか難しい領域だった。このような自転車シェアビジネス特有の課題を信用スコアにもとづくインセンティブとペナルティによって解決しようとしている。
利用者拡大にもスコアが使われていて、ユーザーが友だちをMobikeの利用に招待するとスコアをもらえるようになっている。
MobikeはWeChat(中国版メッセージングアプリ)から使えるようになっていて、決済もWeChat Payというスマホ決済を利用できる。Mobikeに乗るまでのハードルをかなり低くしているところもさすが。
利用料以外の収入としては保証金の運用収益が挙げられる。1人当たり約4800円(299元)の保証金が1000万人分あるので、数%の利回りで運用投資しただけで億単位の収益になる。
Mobikeは、すでに日本にも上陸している。札幌からはじまり、全国に広がっていきそうな予感。2017年12月にはモバイク・ジャパンとLINEが資本業務提携をしている。
ドコモ・バイクシェアやメルカリ、コンビニ各社も自転車シェアリング事業に乗り出しており、この市場は徐々にレッドオーシャンになってきている。それぞれの国でのマナーや文化、設置場所の豊富さ、アプリと自転車の使いやすさ、決済のスムーズさが事業拡大のカギになりそう。