寄付ではなく売上で学校を支える仕組みをつくった
アフリカ諸国では、教育環境の改善を目的に多くの学校が建設されてきたが、「建てた後の運営」を支える仕組みが欠けていた。特に、学校運営費の大半を占める教員給与を誰が負担するのかが常に課題となっていて、外部からの寄付に頼るだけでは持続的な教育提供が難しい状況が続いていた。
また、教育を受けても地域内での雇用機会が少なく、最難関大学を卒業しても就職率が3割程度にとどまるなど、学びが生活や成長に結びつかない現実があった。こうした背景から、教育と雇用を結びつけ、地域が自ら資金を循環させる仕組みが求められていた。
この課題に正面から向き合うため、2010年にNPO法人CLOUDYが設立され、アフリカでの学校建設を開始した。初期段階では、国内外からの寄付を主な財源として学校を建設・運営していたが、寄付に依存する構造では安定的な運営が難しいという課題に直面した。
これを解決すべく、2015年に営利法人として株式会社DOYAが設立され、アパレルブランド「CLOUDY」が立ち上がった。ここで設定された「売上の10%をNPOにまわす」というルールは、社会貢献の一部としてではなく、事業の仕組みの中に社会的な還元を組み込むものだった。これは、経営上のリスクを引き受けつつも、教育の持続性を第一に据えるという意思の表れだった。
この仕組みにより、アパレル事業で得た収益が学校運営の財源となり、教育を持続的に提供できる構造が生まれた。NPO法人CLOUDYはガーナを中心に学校建設を進め、事業収益の一部が校舎建設や学習環境の整備、教材の供給に充てられる仕組みを確立。外部からの一時的な援助に頼らず、地域内で教育を継続できる仕組みが機能している。
学校は設計段階から、公立化を前提に当該国の政府が教員給与などの主要な運営費を担う体制を導入。加えて、校内に教員住宅や畑を併設し、教員の定着と給食の自給を支える仕組みを整えている。農業プロジェクトには専門機関が技術協力し、教育・行政・産業が連携して運営を支える構造となった。寄付に依存しない持続的な教育モデルとして、地域に定着しているのだ。