バラバラだった 作業工程ごとの自動化を1つに集約
コロナ禍以降、EC市場の急成長などにより、物流業界では速くて正確な配送が強く求められたが、従来の倉庫管理は多くの人手が必要で、その労働力不足が深刻な課題だった。こうした状況に対応するため、物流業界ではロボットを導入した自動化が進められているが、複数工程間の連携効率が悪く、工程間をつなぐコンベア設備も必要となって設備費用も莫ばく大だいだった。
「RENATUS」は、そうした大規模物流倉庫のバラバラな工程を、自社開発の独自のアルゴリズムで動くロボットなど設備一式の自動倉庫システムを提供するサービスだ。そして、このシステムとロボットを開発した「RENATUS ROBOTICS」は、国内最大級スタートアップイベントのピッチイベント「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」で優勝するなど、注目を集めている。
日本国内では2022年から、物流倉庫を持つ大企業向けの設備一式を建設・販売する買い切り型で展開していて、導入企業は商品の保管、ピッキング、集約といった、これまでの倉庫内作業の大半を自動化することができる。
従来は多数の倉庫内ロボットを同時に制御しようとすると、ロボット同士の衝突が多発して効率が落ちる問題があったが、RENATUSのロボットは独自のアルゴリズムで互いに衝突を避けるように動くため、最大2000台のロボットを同時制御できるようになって効率性を大きく高めた。さらに、従来の商品保管棚はロボットが地上を走るために高さの制約や工程間をつなぐコンベアが必要だったが、最大20mの高さに対応する保管棚とロボットを垂直移動させる高速リフトを組み合わせることで、倉庫内の空間をムダなく活用できる設計にしている。
たとえばEC業界向け倉庫では、棚に無数に並べられた何万種類もの商品を探すピッキング作業に倉庫内を駆けめぐる何十人もの作業員がいるのがあたりまえだったが、RENATUSを導入をすると人手作業が大幅に減り、作業員は20名から1名に削減が可能になるという。加えて、設備も工程間をつなぐコンベアなどが不要なシンプルな構成となったことで、設備投資の回収に必要な期間は一般的に10年ほどかかるところ、ケースによっては約2.5年に短縮可能という試算にも驚く。
RENATUSは創業時から2025年までに、倉庫内作業の50%以上の自動化を可能にしたが、物流の「完全無人化」の実現に向けさらなるシステムや設備の開発、パートナー企業との共創を加速させる計画だという。